電話番号、営業時間、住所 アクセスアイコン
電話番号、営業時間

石川県金沢市
長町1-4-45

アクセスアイコン

求人サイト利用の落とし穴と違約金対策

求人サイト利用の落とし穴と違約金対策

1 はじめに

 

ネット上の求人サイトを利用して従業員を募集する方法は、最近ではごく一般的になっています。
サイトを見て応募してきた方を採用した場合には、サイトの運営会社に対して決まった手数料を支払うことになります。

一方で、採用した従業員が数日で辞めてしまい、採用報告をしなかった場合、高額の違約金を請求されるケースがあります。
今回の記事では、実際にあった違約金請求の事例を基に、会社が注意すべきポイントについて説明いたします。

2 事案の概要

 

ある介護事業会社が、医療介護求人サイトを介して2名を採用したものの不採用と報告した結果、
運営会社より1名あたり300万円、計600万円の違約金を請求されました。

このサイトの手数料は2名で合計8万8000円(1名4万4000円)であったため、
手数料の実に68倍もの違約金を課すことは、公序良俗に違反し無効ではないかが問題となりました。

 

3 裁判所の判断

 

裁判所は、この違約金請求は適法(公序良俗に反しない)と判断しました。

理由として、
①正しい報告を促すためには、それなりに高額の違約金を設定する必要があること

②違約金が記載された利用規約に同意して利用申込みをしたにもかかわらず、
意図的に不採用であると通知しており、悪質であること

③利用規約は、悪質性の大きさに応じて違約金額に差を設けていたこと

が挙げられています。

 

4 終わりに

求人サイトを介しての採用活動は、多数の応募がある反面、すぐに辞めてしまうことが多いのも現状です。

しかし、利用規約をよく確認せず、会社側の自己判断で「不採用」扱いとしてしまうと、
違約金条項に当たる可能性があり非常に危険です。
「採用」の定義は、求人サイトや人材紹介会社ごとに異なりますが、一度でも出勤している場合には、すぐに辞めてしまったとしても、
基本的には「採用」扱いとされる可能性が高いです。

また、確認や管理不足によるミスで誤報告をしてしまった場合にも、
サイトによっては違約金の対象となることがあるため、注意が必要です。

求人サイトを利用して採用活動を行う場合には、
どのような場合に「採用」または「不採用」となるのか、
または違約金の対象となるのかについて、事前にしっかりと利用規約を確認しましょう。

 

 

本記事に関しまして、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽に弊所までご連絡ください。

–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*– –*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–
本記事は、弊所配信のメルマガ「法律一口メモ」より抜粋しています。
メルマガ購読をご希望の方は下記フォームよりご登録ください。



クレーム対応に関するその他の記事