確定申告が完了していない場合、持続化給付金はもらえないのか?
新型コロナウイルスの感染拡大になかなか歯止めがかからない中、多くの企業、事業主が苦境に陥っています。そんな中、先般の補正予算成立により、申請受付が開始されたのが、「持続化給付金」。ざっくり言うと、個人事業主や会社が返済不要のお金を政府からもらえるという制度です。その金額、個人事業主が上限100万円、会社が上限200万円ですから、注目度も高いものがあります。
しかし、フリーランスなどの個人事業主の中には、個人の確定申告をまだしていないという人もあります。一方、申請に際しては確定申告書の写しが必要とされていることから、申請できないのではないかと思っておられる方も多いかと思います。そこで、この点について、少し書きたいと思います。
詳しいことは、申請要領に記載されています。要領と聞くと難しく聞こえてしまいますが、かなりわかりやすく記載されています。
持続化給付金をもらえる人
持続化給付金をもらうためには、以下の要件を満たす必要があります。
1 平成31年以前から事業収入があり、今後も事業継続の意思がある個人事業主または企業
※フリーランスを含む個人事業者が広く対象となります
2 前年同月比で事業収入が50%以上減少した月がある
どうでしょうか。新型コロナウイルスの影響で売上が激減した場合、多くの方が該当するのではないかと思います。
申請期間・申請方法
申請期間:令和2年5月1日から令和3年1月15日まで。
※電子申請の送信完了の締め切りが、令和3年1月15日の24時まで。
申請方法:持続化給付金の申請用HP(https://jizokuka-kyufu.jp)からの電子申請。
提出書類
提出書類は、個人事業主の場合、青色申告か白色申告かによって異なりますが、かなり簡略化されています(以下に示すサンプル等は要領から転載しています。なお、法人の場合は若干異なりますので、要領をご参照下さい)。
①青色申告を行っている場合
(ア)2019年分の確定申告書第一表の控え、及び所得税青色申告決算書の控え(サンプル)
(イ)対象月の月間事業収入がわかるもの(サンプル)
(ウ)申請者本人名義の振込先口座の通帳の写し(サンプル)
(エ)本人確認書類
(オ)その他事務局等が必要と認める書類
②白色申告を行っている場合
(ア) 2019年分の確定申告書第一表の控え(サンプル)
(イ)対象月の月間事業収入がわかるもの(サンプル)
(ウ)申請者本人名義の振込先口座の通帳の写し(サンプル)
(エ)本人確認書類
(オ)その他事務局が必要と認める書類
※以上の書類を1枚ずつ電子データでアップロードする方法によって提出することになります。
確定申告が完了していない場合は?
確定申告をしていないけれど、持続化給付金を受け取りたい場合は、確定申告をしてから申請という手段もあります。通常であれば、確定申告の期限は過ぎているわけですが、今回は新型コロナウイルスの影響で、現時点でも柔軟に対応するということになっています。
令和元年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の確定申告につきましては、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大状況に鑑み、感染拡大により外出を控えるなど期限内(令和2年4月16日(木)まで)に申告することが困難であった方については、期限を区切らずに、4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告書を受け付けることといたしました。申告書の作成又は来署することが可能になった時点で税務署へ申し出ていただければ、申告期限延長の取扱いをさせていただきます。
(国税庁のホームページより)
ただ、今回は特例が認められていて、申告が完了していなくても、2018年分の確定申告書類等の控え又は2018年分の住民税の申告書類の控えで対応することも可能です。
持続化給付金申請要領(個人事業者向け)より引用
A-2 「確定申告期限の柔軟な取扱いについて」に基づいて、2019年分の確定申告を完了していない場合、住民税の申告期限が猶予されており当該申告が完了していない場合又はその他相当の事由により提出できない場合
→ 2018年分の確定申告書類等の控え又は2018年分の住民税の申告書類の控えを提出してください。
市町村民税・特別区民税・都道府県民税を提出した場合、月別の収入が確認できないため、年間事業収入を12か月で割って、月平均の事業収入を算定し、2020年の対象月の事業収入がこれと比較して
50%以上減少している場合は、給付対象となります。
2018年分の確定申告書類の控えを提出する場合は、事業収入の比較は、2018年と比較することになります(いずれも、申請要領27ページから抜粋)。
最後に
先ほども書きましたが、申請はオンラインですることができます。
オンラインの場合、書類を1枚1枚データ化しなければならないですが、スマートフォンのカメラ等で行うことも可能です。
上記提出書類を手元に準備した上で、インターネット経由で申請をしてみて下さい。
ホームページ自体も非常にわかりやすいので、是非、トライしていただけるとよいと思います。