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アフターコロナを考える~650年続いた秘密

アフターコロナを考える~650年続いた秘密

新型コロナウイルスの影響で世界が揺れています。飲食店は7割がつぶれると言った人もあります。こんな時、大切なことは何か。

まずは、資金繰り。どれだけ大企業であっても、キャッシュが尽きれば破産は免れません。その意味で、日本政策金融公庫、商工中金、そしてこれからはじまる民間金融機関を通じての融資はとても重要です。

アフターコロナで大切なこと

ただ、新型コロナウイルスの影響で世界は激変しました。この逆風が収まればもとどおり。そんな甘いものではないと誰もが思っているでしょう。この難局を乗り切るためには、自身の事業を根本から見直し、自身の事業の本質は何かという原点に立ち返った、価値創造が必要になります。そんな時、思い出した言葉があります。

「初心忘るべからず」

これは、能を大成した観阿弥・世阿弥父子が残したもっとも有名な言葉と言われます。よく、この言葉はそれを始めたときの初々しい気持ちを忘れてはならないとという意味で使われますが、世阿弥はそのような意味では使っていなかったと言われます。安田登氏の「能~650年続いた仕掛けとは」から引用してみたいと思います。

初心の「初」という漢字は、「衣」偏と「刀」からできており、もとの意味は、「衣(布地)を刀(鋏)で裁つ」。すなわち「初」とは、まっさらな生地に、はじめて刀(鋏)を入れることを示し、「初心忘るべからず」とは、「折あるごとに古い自己を裁ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならない、そのことを忘れるな」という意味なのです。

(「能~650年続いた仕掛けとは」安田登著、新潮社、14ページより引用)

考えてみると、能は、とても長い間(安田氏曰く、650年間!)続いています。そして、安田氏は、能が650年も続いてきた理由は、「初心」と「伝統」にあると言われます。そして、実は、能には、大きな変化が4回もあり、その都度生まれ変わってきたというのです。世の中の変化に適応して能自体も変化したからこそ、今がある、ということなのでしょう。

変化し続ける世で大切なこと

世の中は変わります。しかし、伝統というのは、「変わらない」ことではなく、「変わり続けていく」ことなのだと思います。考えてみれば、歴史をひもとくと、世の中の激変というのは何回もありました。そのたびに生き残っているのは、その変化に対応し、適応し、変化した企業です。トヨタを例にあげるまでもなく、昔と今と全く違うものを作っている企業もたくさんあります。

この新型コロナウイルスの嵐の中で生き残るには、まさに安田氏が言われるように、「折あるごとに古い自己を裁ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならない」ということなのだと思います。自身の本当の価値を追及し、見つめなおす。そういう機会なのだと思います。単純にテレワークをはじめるということではなく、働き方を見直すというものに止まらず、事業の価値自体を見つめ直す。

それでこそ、生き残ることができるのではないかと思います。

法律事務所である弊所も同様。法律事務所、弁護の本質とは何か。改めて見つめ直し、生まれ変わるチャンスとします。

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