挨拶に現れるその人の力
私自身、様々なところで挨拶をする機会がありますが、同時に挨拶を聞く場面がたくさんあります。皆さんはそんな時、どんな気持ちで挨拶を聞いているでしょうか。私は、「この人はどんな挨拶をするんだろうな」と興味津々で聞いています。
挨拶というのは、長いと嫌われます。聴衆のことを考えれば、短く、心に残る、そして学びになる、うれしい言葉を述べることが大事だと思います。そんな中で、私にとって、「これはすごい」と思った挨拶がありました。それは、全社員の集まる周年行事に招かれた来賓の方の挨拶でした。細かい表現は記憶にないのですが、大まかにはこういった挨拶です。
皆さんにお会いできて本当にうれしいです。なぜか。社長がいつも自慢するんですよ。うちの社員はいい人ばっかりなんですよ!いつもありがたいって思っているんです!って。それで、いつかお目にかかりたいと思っていた。そして、今日お会いできた。皆さんのうち、何人かとお話できました。そうしたら、「ああ、社長の言われていたとおりなんだな」と思いました。こんな社員さんに恵まれた社長さんは幸せです。そして、そんな風に外に言ってくれる社長さんに恵まれた皆さんも幸せです。
すごいな、と思いました。社長は社員に感謝したいと思っていても、恥ずかしくて面と向かって言いにくい。でも、人の口を通して言えば嫌みもない。社員さんの心にはすーっと入ってきます。「社長、そんなこと言ってくれていたんだ。思ってくれていたんだ。」と。一瞬の挨拶で、社長と社員の心をより強固にするためのアシストをされているのです。
何のための挨拶か。誰のための挨拶か。自分に求められている役割は何か。そういった問いを常にたて、その場にふさわしい秀逸な挨拶ができる自分でありたいと思います。