あなたと話すと元気になる
うれしい言葉
先日、とてもうれしい言葉をいただきました。それは、「あなたとお話すると、元気になります」という言葉です。事務所に来られる時は暗い顔だった。事務所に来られる前は前屈みだった。でも、事務所を出られる時には笑顔になっていた。顔が前を向いていた。事務所に来られる前と出て行かれた後で、少しでも前向きになった、元気になった。こうなってこそ私が「仕事をした」ということだと思うのです。
私の仕事は何か
私の仕事は、言葉によって人の悩みを解決したり、その人に本来備わっている力を引き出すことです。もちろん、弁護技術を使って依頼者の法的問題を解決することが弁護士の仕事なのですが、それよりも前提として大切なことが、依頼された方の精神的な安心感、納得感だと思っています。だからこそ、「あなたに相談して心が軽くなった」、「あなたに話をして元気になった」という言葉が何よりもうれしいのです。
損害賠償請求をして、賠償金を勝ち取る。
貸金返還請求をして、しっかりとお金を返してもらう。
代金支払請求をして、しっかりとお金を払ってもらう。
いずれもいずれも弁護士の仕事であり、とても大切なことです。でも、お金を得ても、望み通りの結果を得ても、依頼された方が満足されない場合があります。依頼者のおっしゃる望みを100%かなえたと思っても、満足されないことがあるのです。
これはなぜか。
たしかに依頼された方の表面的な望みを果たせたのかもしれません。しかし、その人の表に出ている望みの裏にある、本当に望んでいるものに気づけなかったということなのだと思います。別の言葉で言うならば、依頼された方の心の問題を放置してしまうことによるものだと思うのです。最終的な到達点は依頼された方の心の平安であり、安心であり、納得です。私たちは何を提供しているのか、私たちが目指していることの最終到達点はどこなのか、それを常に意識して、弁護をしたいと思います。